第二章 旅烏の葛藤

第二章 旅烏の葛藤

第二章 旅烏の葛藤⑥

第二章 旅烏の葛藤⑥  部屋のベランダから朝日が差し込む。日が昇ると遊びに来るキジトラ柄の野良猫がいた。窓をあけるとゴロゴロと喉を鳴らして寝転ぶ姿がとてもかわいらしく、たまには撫でたりしながら良好な関係を築けていた。語学学校の朝は毎日早い...
第二章 旅烏の葛藤

第二章 旅烏の葛藤⑤

第二章 旅烏の葛藤⑤  頭が茹で上がるような暑さのフィリピンにやってきて早くも2週間が経った。それでもまだこの暑さにはなれず、日に何度も暑い暑いと口にしてしまう。日差しが強く、直射日光の下を歩けばジリジリと肌が焼ける。せめてもの救いになれ...
第二章 旅烏の葛藤

第二章 旅烏の葛藤④

第二章 旅烏の葛藤④ 「じゃ、首にタオル巻きますよ。」 「はい。お願いします。」 「どのくらい切ってないんですか?」 「1ヶ月前にフィリピンの床屋に行ってから切ってないんです。」  カットクロスの隙間から細かい毛が入らないように首にタ...
第二章 旅烏の葛藤

第二章 旅烏の葛藤③

第二章 旅烏の葛藤③  E&Gに入学してすでに1週間が経つ。ダバオの学校はマニラの学校とくらべて静かで落ち着いていて、日本人が少ないと聞いていたが、E&Gには常時20名ほどの日本人が滞在しているようだった。せっかく海外に行くのだし、日本人...
第二章 旅烏の葛藤

第二章 旅烏の葛藤②

第二章 旅烏の葛藤②    フィリピンの首都マニラのニノイ・アキノ国際空港に着いた僕は、いきなりカルチャーショックにやられていた。早朝4時にソウルのキューちゃんの自宅を出たものでずいぶん寝不足だったが、空港を出たら身を纏う熱くてモワモワ...
第二章 旅烏の葛藤

第二章 旅烏の葛藤①

第二章 旅烏の葛藤①  午後4時、韓国・ソウルの仁川国際空港に到着した。韓国へ降り立ったのは人生で3度目である。以前来た時は明洞でサムギョプサルを食べたり、東大門市場へ行ったりとずいぶんベタな旅をしたものだが、今回は特に観光をするつも...